発達テスト


     海斗は今まで何度か発達テストを受けました。
     それは 言語発達が遅れた海斗を診断するためであったり
     保育園の頃 加配の先生をつけてもらうため療育手帳を発行してもらう為であったことも
     そして海斗の発達の程度を知るためであったりもしました。
     どれも時間がかかり 子供には集中力が続かなくなるほどで辛い時間だったと思います。
     

     田中ビネー
     K式発達検査
     津守式乳幼児精神発達質問紙
     WISC-|||
     日本版ミラー幼児発達スクリーニング検査

     S-M社会生活能力検査(これは親から見た子供の姿を答えて行くものだったと思う)





初めて受けた発達テストで海斗はIQ(DQ)60と診断された。
3歳になるかならないかの頃で まだ発語に至ってない時期だった。
当然 言葉で答える問いには答えられる訳もなく 
多動でもあり落ち着いてテストを受ける状態ではなかった。
写真のような立方体の積み木を使っての模倣なども 全然できなかった。
この積み木の模倣が出来だしたのは 3歳5ヶ月の頃である。

また 他の機関で受けたときはDQ56のこともあった。
ビーズにヒモを通すことができなかった。
直線割りの2Pのパズルを完成することもできなかった。
親とすれば どれも悲しい結果であり同席しながら辛い時間でした。



療育手帳

   発達テストの結果 「軽度の知的障害」と「自閉症」と診断され 療育手帳を発行してもらった。
   これは保育園で加配の保育士をつけてもらう為に必要であり
   一日保育を認めてもらう為もに欲しかった手帳ではあるが 
   発行の日、それはそれは辛いものであった。
   添付すべき写真は 写りの良い物を選んでやることしかできなくて 今でも思い出すと泣けてくる…。


1年後
   保育園の年中になって 療育手帳の更新の為に発達テストを受けた。
   その頃には2語文3語文も出るようになっていて 「これ何?」と聞いてきたり
  「今日どこ行く?」
  「10時半なったら かいとのパパ もうすぐ帰る」なんてことも言えるようになっていました。
   
   テストでは
  「ひよこは小さいね、にわとりは?」の質問には答えられず
  ビーズのヒモ通しの模倣には ヒモは通すものの先生のするようには出来ませんでした。
  それでも前回に比べると口頭で答えられた問いが多く 
  IQ88の結果がでた。
  IQ60の子が1年で88にまでなるなんて
  親の私でさえ正直信じられない結果であったし
検査官の先生ですら驚いて「今までに経験のないことです」と言われた。
  このため 療育手帳は返還することになった。
  この結果を保育園に伝えない訳にいかず その後 加配の先生から外されることになった。


  知的障害の診断名や療育手帳がなくなっても
自閉症であることに変わりはなく半年ごとにテストをうけた。
5歳になってからは集中力も必要とされる WISC-|||を受けるようになった。
1時間程かかるテストで 集中がきれて中断することもあった。
筋道たてて考えることが苦手で
4枚の絵カードを見て お話の順番に並べる「絵画配列」の問いは全滅だった。

その後も何度かテストを受けた結果、IQ98~110の間を行ったり来たりしている状態だ。
知識的には豊富な海斗で処理速度などは平均以上だけど
指先を使う課題や図形がらみの課題になると お手上げ状態になる。
絵を描く課題はまったくダメで 未だに園児がかくような絵しか描けない。






発達障害に詳しい先生の講演で聞いた話です。

    1歳6ヶ月検診で積み木を4つ積み上げる課題があります。
    これは「自他領域の文化」ができてきたかどうかを知る課題であり
    先生が初めに4つの積み木を積み上げてみせます。
    子供にも4つの積み木を与えて それを真似するように指示するのですが
    先生が積んだその積み木の上に自分の積み木を積み上げる子がや
    両手を使わず 片手だけで積み上げる子がいるそうです。
    これは「自他文化分離不自由分」な子が多く「自閉症」の子に多くみられることらしいです。
    また 積み木が崩れたらやめてしまう子や途中でやらなくなる子は
    先を考えて不安になることがあるんでしょうし これは「見通しの悪さ」であると考えられるそうで 
    海斗も「見通しが悪い」と全然やってくれないこともありました。
    積み木を両手を使って積む重要性、
    積み上げている途中で崩れても再度チャレンジする気持ちや
    そして たくさん積めて「ほら できたでしょ」って顔で先生や親の顔を見ることが大事
らしいです。

  
その発展系で写真のような課題もあります。
このような積み木で「トラック」を作る模倣の課題は2歳ぐらいで出来るようになるそうです。
(海斗は3歳5ヶ月でできるようになったが それも随分訓練をしたからだが…)
これは積み木を縦積みや横積みする課題です。
この課題の延長線上には「今日(学校に行ったら)は◯◯をしてから◯◯をする」と言うように
「見通し」がきく
ようになるそうです。



    正方形の模写
      正方形を描いてもらい「もう1つ描いてみよう」とゆっくり3つの正方形を描かす。
      正方形のバランス、4つの角の表現の仕方、辺と辺の終結の仕方をみる。
      「大中小」という中間項をもった3つの単位(3次元)が生まれることによって
      空間的3次元。時間的3次元、感覚的3次元が生まれる。
          例   自分にとっての「一番遠いところ、中くらいに遠いところ、一番近いところ」
              「明日の次の日」「きのう、今日、明日」「赤と白を混ぜたらピンクになる」
              「去年は泣いてばかりいたけど今年はがまんするようになった自分」

    だんだん大きくなる◯を描く
       紙に◯をかき それよりももっと大きな◯、もっと大きな◯…とだんだん大きな◯を描いてもらう。
      「だんだん大きく」という他者の意図を認識した基準枠によりつつ 
      「だんだん大きくなる◯」と描くことができる。
       これは 例えば 話に伝えたいこと(テーマ)という基準枠をつくったり
       約束やルールという基準枠をつくる元になる。
            例  クラスのみんなと行った「遠足」の話を最初から最後までそのテーマで話すことが出来る。
               自閉症の子は話が点々と飛ぶことが多い。
 

 
   STのS子先生から聞いたことですが
    正方形を描いたときに
    4つの角がだいたい90°になるのは4歳ぐらいだと言われているそうです。
    3歳ぐらいまでは どこかの角が丸くなっているそうで、
    海斗は4歳のときには角をきちんと描けていましたので
「発達がみんなに追いついてきたんでしょう」と言われました。





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